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SRR・林誠一氏、サウジアラビアを考察 新レポート発表
2026/01/28
鉄リサイクリング・リサーチの林誠一社長が1月20日付で、調査レポートNO107『サウジアラビアの鉄源需給・現状と展望 ―石油依存からの脱出と労働者のサウジ化 ―』を発表した。同国の経済や鉄鋼業、鉄源需給の現状や展望を考察している。
サウジアラビアは2025年現在、3600万人(2025年4月IMF統計)を有する。国連推計では人口増加の伸びは鈍化するものの、2050年に4770万人、2100年に7100万人に増加すると予想している。世界最大級の石油埋蔵量に基づき、経済も石油中心の構造だ。輸出総額の9割、財政収入の約8割を石油に依存。石油の成長がけん引して、2025年初の実質経済成長率は4.02%と、2024年から倍増する見込みだ。
同国特徴の一つに外国人労働者の扱いがあり、就業人口の約7割を外国人が占める。政府は、自国民の雇用比率を強制的に引き上げる「サウジ化」を進め、若年層の失業率の低下や就職先の公務員依存の低下などを図っている。
鉄鋼業は高炉が存在せず、安価な天然ガスや電力を用いたDR―電炉100%となっている。DRは輸入鉄鉱石と自国天然ガスによるもので、天然ガスは水素を使用する技術開発を進めている。2023年末の電炉事業者数は14、製鋼能力は約1300万㌧。2024年の粗鋼生産量は960万㌧で、稼働率は74%だった。
2024年の鉄源消費量は推定1018万㌧(銑鉄9,000㌧、DRI736万㌧(約72.3%)、鉄スクラップ281万㌧(27.6%)だった。鉄スクラップはリターン58万㌧、購入が224万㌧(うち輸入14万㌧)。輸入比率は6%程度で低い。
脱炭素に向けて国は水素利用のDR還元を主要課題と位置づけており、2030年の商業実装を目指している。人口増加や鋼材見掛消費量の推移などから林氏は、2030年の粗鋼生産量を1800万㌧、2050年には2400万㌧へ増加すると予測している。

