三和金属、スクラップの蓄積管理専用カメラを開発

2025/07/24

 金属スクラップディーラーの三和金属(本社=大阪府東大阪市、三重慶三社長)はこのほど、バッカンなどに貯まったスクラップの蓄積管理専用カメラを開発したことを公表した。現在は試作機を使い実証試験を行っており、改良を加え、9月に一般販売を予定している。


 同カメラは、SIMカードと通信ルータを内蔵しており、オフラインの環境でもクラウドを活用した画像管理が可能なシステムを搭載している。そのため、離れた場所からパソコンのほか、スマートフォンやタブレットなどで静止画像を確認することができる。また撮影する頻度は時間単位で設定でき、撮影しない間は電源がオフとなり、電力消費の抑制につなげられる。


 同社は、新断やダライ粉などの工場発生に由来するスクラップを中心に扱っており、バッカンに貯まったスクラップを引き取る機会が多いという。同社ではスクラップの引き取りへ行く際、引き取り先にスクラップの蓄積量の確認を心掛けるようにしているが、三重社長は「人によってスクラップの貯まり具合の見方が違う。そのため、実際に行ったら少量だったことがあり、結果として無意味な訪問になってしまうもこともある。また大手メーカーの場合だと、蓄積量の確認をするために手続きが必要となり、時間が掛かる」と引き取り業務での課題を指摘する。


 こうしたことから、課題を解決するため、同カメラの開発を決断した。三重社長は「引き取り業務を効率化させることで、作業時間の短縮や経費削減につながるはずだ。一般販売を通じて、同業他社さまへの普及を目指し、業界の発展に貢献したいと思う」と話す。同カメラについては、製造業の課題解決をサポートするなど、日本の製造業の支援を目的に活動する一般社団法人日本ものづくり支援機構を通じて販売する予定。

バッカンの右端にカメラを設置