カナスチール、室蘭の集荷・加工能力を強化

2025/05/28

■室蘭崎守ヤードに油圧シャー導入へ

(北海道)北海道地区で鉄リサイクル事業や中古鋼材の販売・レンタル事業を展開するカナスチール(本社=北海道室蘭市、金本功社長)は、室蘭市内における鉄スクラップ集荷と加工能力の強化を進めている。昨年4月に室蘭市中西部・崎守埠頭の程近くに敷地面積約7,400㎡の用地を取得。壁面や敷地内の整備を経て10月に「室蘭崎守ヤード」を開設した。本社工場と2021年開設の「苫小牧ヤード」(苫小牧市)に次ぐ3拠点目のスクラップ集荷ヤードで、現在は大型構造物などのガス切加工を行っている。来年4月には切断圧1,250㌧の油圧シャーを設置する予定。完成すれば同社の鉄スクラップ加工能力は倍増する。室蘭崎守ヤードに関する一連の投資額はおよそ5億円を見込む。

 カナスチールは年間10~15万㌧の鉄スクラップを扱う、年商100億円規模のリサイクラーだ。集荷対象エリアは道央地区を中心に道内全域をカバーしており、扱い量の9割が室蘭エリア外から輸送されるものという。集荷したスクラップの加工処理は室蘭市内の本社ヤードで行い、隣接する港からベトナムや韓国へ向けて輸出販売しているが、既存の1,250㌧油圧シャーはフル稼働に近い状態が続いており、増加を続ける扱い量に対応するためには集荷拠点や加工処理機械の増強が必要となっていた。

 近年は各ヤードで使用する荷役機の増強も続けている。積極的な設備投資によってユーザーの要望に迅速に応える体制を整え、事業基盤の強化を図る。

室蘭崎守ヤード