大同特殊鋼、知多第2工場に新設した特殊溶解設備が稼働

2024/12/26

(名古屋)大同特殊鋼は、今後の需要拡大が見込まれる半導体製造装置や航空エンジンなどに使われるクリーンステンレスやニッケル基合金等の高級鋼を増産するため、特殊溶解設備である真空アーク再溶解炉(VAR)の知多第2工場(愛知県知多市)への増設を進めている。


 このほど1基目の設置が完了し、19日に稼働を開始した。2基目も25年3月までに稼働開始する予定で、2基の増設により高級鋼の生産能力は20%の増加を見込んでいる。さらに、27年3月までに高級鋼用のVAR2基とチタン用VAR2基の同工場への追加導入を予定し、成長市場製品の需要捕捉に向けた積極投資を進めていく。

 VARを施した鋼は、内部の清浄度や均質性が高められるため、特性の厳格な管理が可能で、航空エンジンや半導体製造装置といった品質要求が厳しい部材に適用される。産業の高度化に貢献する素材であり、今後ますます需要が高まることが予想される。

 同社は、素材の技術革新がイノベーションを誘発する産業分野で必要とされる素材を、その生産に最適な体制を構築しながら提供し続けることで、社会への貢献と事業の成長を目指していく。