三立機械工業


金属リサイクルの省力化を極める製品群
 三立機械工業(本社=千葉市稲毛区、中根亮一社長)は廃電線のリサイクル処理機の製造・販売を中心に手掛ける老舗メーカー。スクラップの選別力向上、新たな付加価値の創造が重要性を増す中、そうした需要に合致した様々な製品群を揃えている。長年培ってきた『分ける技術』は、時代の変化に対応しながら着実に進化。リサイクルの省力化を極めた先端設備で、より高度な選別を実現する。
 
 
湿式ナゲットプラント
廃電線リサイクルに新たな付加価値
  2012年の発売以来、同社で受注を伸ばしているのが湿式ナゲットプラント「WNー2400」だ。非鉄スクラップ業者だけでなく、鉄スクラップ業者や自動車解体業者の導入も増えている。
 最大の特長は、湿式比重選別(薄流選別)方式の採用によって銅分の回収ロスが極めて少ないこと。処理が難しいとされていた雑線と呼ばれる家電コードや自動車ハーネス類からも、98l以上の精度で銅分を回収する。
 銅の取りこぼしを防ぐとともに、製品を高品位に仕上げることもできる。特許取得技術の「中間比重回収機構」で銅製品へのミスカット混入を防止。「スソ物」とされる細い雑線の対象物でも、被覆と金属を細かく分離する。
 また、投入作業の工程が省力化されていることも有用な特長だ。「プッシャー付き破砕機」を備えており、雑線を投入する際に課題だった様々な付属物は前処理破砕でパワフルに除去する。これにより、スクラップを投入した後は作業員が投入口から離れることができるため、プラント全体におけるワンマン運転を実現。銅品質の向上と、作業の省力化の両面を可能にした。
 廃電線リサイクルの流通形態は時代とともに変化し、「量より質」が求められる傾向にある。これまで乾式のプラントで大量処理に注力していたナゲット業者などでも、二次選別を目的に湿式プラントを導入する事例が増加した。低品位の原料に付加価値を見出す機運は着実に高まっている。
 
選別力強化を技術でサポート
 そうした需要に合致する製品を、同社は他にも多数取り揃えている。業務用剥線機「剥王シリーズ」は金属リサイクル業界で圧倒的なシェアを誇るロングセラー製品だ。14年には6世代目となるフルモデルチェンジを行い、長年の経験から得た専門的な技術と成熟したノウハウを新たに注いだ。
 その中でも、多品目型の「赤剥王」はシリーズの最上位機種。処理対象が多芯線や太線、1本線など多種に及ぶため、廃電線を幅広く扱う総合リサイクル事業者に適している。「ピカ線生産マシン」の異名を持つ同機は分離性能が優れることはもちろん、調整のしやすさも前回モデルから更に改善。回転体の露出を減らして点検窓を設置するなど、安全性も向上した。昨年は簡易型の卓上型剥線機も発売。幅広い業態へ導入が広がっている。
 また、スクラップの加工処理においては、切断力に優れた油圧式アリゲーターシャーリング「HASー300」、および低価格モデル「HASー250」も人気機種だ。油圧駆動によるパワフルな切断力と、一単位での切断運転による高い安全性を兼ね備える。
 これらの製品は、日本産業機械工業会が認定する先端設備制度の対象機種となっている(卓上型剥線機を除く)。導入にあたっては、100lの即時償却、または4〜10lの税額控除などの税制優遇が受けられる。
 同社では現在、剥線機の下取り買い替えキャンペーンも実施している。「剥王シリーズ」の4モデルのいずれかを導入すると、それまで使用していた剥線機をメーカーや年式、状態を問わず一律5万円で下取り保証する。
 三立機械工業は55年に及ぶ歴史の中で、『分ける技術』を徹底的に追求してきた。中根亮一社長は「選別力の強化によって、お客様に競争力を高めていただきたい。弊社の技術がそこに貢献できるからこそ、機械の使いやすさや省力化にこだわってきた。今後も利益を生み出すサポートをしていければ」と話す。
 

 
 
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