エンヴィテック
スクラップ事業に特化した放射線探知機を展開
 欧州製各種機械装置を取り扱うエンヴィテック (本社=東京都港区、 村田幸三社長) は、 クリスタル系の発光体を使用した放射線探知機 (独・CETTO社と共同開発) を展開している。 放射線量の測定や核種特定機能のほか、 スクラップ事業に特化した機能を完備。 耐久性に優れ、 高い安全性と長期的なコストパフォーマンスの良さから、 発売以来11年で業界内外に70台以上を納入している。
 ■「放射線量」「核種」も特定
 現在、 工場や港湾などで使用される設置型探知機の多くは、 発光体に安価なプラスチック板を使用しており、 その能力は放射線 (ガンマ線) の数のカウントと線源のピーク位置一ヵ所のみを特定することしかできないため、 車両に近づきハンディタイプの計測器でしなければならない。
 しかし、 放射性物質/同位体には、 「人体に影響が少ない線香花火のようなものから、 深刻な悪影響を与えるマシンガン級のものまで様々な種類が存在するため、 放射性物質/同位体を特定せずに近づくことは無謀なこと」 (村田社長) という。  また、 廃棄物に混入の恐れがあるコバルト60などは 「マシンガン級」 の高いエネルギーを持つが、 その多くは密閉容器に入っており放出するガンマ線の個数そのものが少ない。 このため放射線数のみをカウントする探知機では混入の事実を発見しにくいのが現状だ。
 エンヴィテックが販売するクリスタル系探知機は、 放射性物質が放つ 『エネルギーピーク』 を捉えることができる。 この性能をいかし、 高い電位の放射線を探知すると、 その個数が少なくともBG (バックグランド) よりも多いと判断しアラームが鳴る。 このほか、 放射線量測定機能、 核種特定機能も完備。 放射性物質の有無や線源の位置情報 (棒グラフにより複数箇所表示可能、 下写真左) を探知するとともに 「何が、 どの程度含まれているか」 を測定し、 危険度を瞬時に報告する。
放射線量測定
  「Sv/h」 (シーベルト毎時) は、 人体が受ける外部被曝量のこと。 Cs―I (ヨウ化セシウム) 製の発光体が捕えたガンマ線の 『エネルギースペクトル』 を基に、 エネルギー補償機能により放射線量を算出。 人体へ与える影響をμSv/h単位で画面に表示する (右写真上)。また、わずかな線量変化も捉えることができるように、 11年モデルからは0・5秒、 2秒毎にBG (バックグランド) の平均値を計算し、 探知精度を高めている。
核種特定機能
 11年モデルからは、 核種特定機能も追加した。 同機能では、 エネルギースペクトルから核種を判定。 ラドン発生装置にも含まれる自然放射能のトリウム232といった人体にはほとんど影響ないものから、 コバルト60といった人体に深刻な悪影響を与えるものまで、 スクラップに混入している核種を自動的に特定し、 画面上に表示する (下写真右)。
 
■「BG低減装置」で検査基準を厳格化
 一般に市中スクラップヤードは、 周囲に畑や植栽などがあり地表がむき出しとなっている環境下にあるケースが多く、 空間線量 (BG) は製鋼メーカーなどに比べて50〜70%高い傾向にある。
 また、 探知機のアラームが鳴る上限値は、 探知機を設置する場所だけでなく、 探知する時間によっても異なる。 これは、 空間線量がその土地の地質や風向き、 時間などの要素によって変化するためだ。 市中ヤードへの搬入時にアラームが鳴らない場合でも、 製鋼メーカーの探知機でアラームが鳴る主な原因は、 ヤードとメーカーにおける空間線量の違いにある。
 エンヴィテックでは、 2010年から放射線探知機に 「BG低減装置」 を装備した。 14年タイプでは、 その機能をさらに強化している。
 空間線量が比較的高いヤードでもBG低減装置を装着すれば、 空間線量を低減することができる。 12年には、 アラームが鳴る上限値をBG以下に設定する機能も追加。 この2つの機能により誤荷受や納入先での返品の可能性を格段に減らすことができる。
 
■欧米の先進基準を満たす
 エンヴィテックが販売する放射線探知機の基本設計は、 EU委員会、 国連、 IAEAの3公的機関が要求する基準を満たしているだけでなく、 ドイツの計測器認定機関 『GAZ』 より測定機器としての正式認証を受けている (写真左)。
 また、 昨年4月に 「日本電気計測器工業会」 が公表した放射線の 『測定機器』 に必要とされる機能も満たしている。 このため、 今年3月31日まで有効の特別償却だけでなく、 1月20日から可能となった即時償却も正式に受けることができるという (同社調べ)。
 また、 発光体に使用するヨウ化セシウムはレアメタルであるため、 発光体の寿命が半永久的であるだけでなく、 資産価値も下がることはない。
 村田社長は、 「装置も安定し、 機能も充実してきた。 安全確保のためにも、 スクラップ事業を行う方には精度の高い測定機器を使用していただきたい。 今後は日本のスクラップの輸出先となっている韓国や中国の製鋼メーカーに紹介していきたい」 と話す。
 
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